随分日を開けてしまったが、今年中には残り13日とアンコールで追加されている6つのお題を全て書ききりたい。
気分を高めてくれる曲
ロマン派の楽曲であり、短調の楽章・フレーズから始まり、曲自体も高揚、長調で終止すれば大体気分が高まってしまう。それも好きな曲であれば尚のこと。
ブラームスならば交響曲第1番 ハ短調 作品68や第2番 ニ長調、マーラーならば第1番 ニ長調に第2番 ハ短調などあるが、大体ロマン派の楽曲が多いだろう。
そこで、フランスの交響曲はどうだろう。例えば、ベルギーの人間だがフランスで活躍したフランクの交響曲 ニ短調だ。
セザール・フランク:交響曲 ニ短調
Franck: Sinfonie d-Moll ∙ hr-Sinfonieorchester ∙ Marc Minkowski
曲についての詳細は名曲解説書やWikipediaに任せよう。
どの曲について書くときだって、やるべきことは自分の体験や感想だ。ここでは好きな録音を挙げておこう。
初めてこの曲を聞いたのはセルジュ・チェリビダッケ/シュトットガルト放送交響楽団による海賊盤であり、録音はそれほど良くはない。けれどもゆっくりとした足取りで層は分厚く各々の声部が室内楽的な主張をしているように聞き取ることができる。
フランク/交響曲ニ短調/チェリビダッケ/シュトットガルト放送響(1982 2 28)
CDとしては海賊盤故に入手が難しく、元来推奨すべき製品ではないが、上記のようにYouTubeで聞くことができる(これも推奨すべき聞き方ではないが)。
わたしが好きなものは、ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団の初めての来日公演でのライブ録音だ。
セッション録音では曲の姿を、ライブ録音では活力を聞かせてくれるクーベリック。このフランクでは足を踏み鳴らしながらオケを煽り、モーツァルトでは後年のスタジオ録音以上に起伏の激しく表情豊かな演奏をしてくれている。フランクでもこの熱量を保ちながら終止音まで駆け抜けており、ライブ録音を聞く楽しみを与えてくれる。